平成20年7月4日
報告者:福岡 浩
(有限会社 業務改善創研)
このプロジェクトは、急増する認知症の問題を総合的な見地で早期に解決しようと、 舛添厚生労働大臣の指示で設置されていました。 「緊急PJ」というだけあって、上記のチームメンバーの顔ぶれを見ると、大臣の本気度が伺えます。
まず、この日の席上に西川厚生労働副大臣も列席し、省内横断的に老健局長、医政局長、社会・援護局長の三局のトップが同席しました。 進行役は、勿論、老健局長ですが、他の審議会等ではあまり見られない光景です。 それだけ危機感があるのだろうと推測できます。 特に中村秀一社会・援護局長は、元老健局長でもあり、同局の障害保健福祉部長を従えての出席です。
他に、大学教授は別として、長寿医療センター(愛知県)遠藤英俊先生と、センター方式でも有名な永田久美子主幹の参加は、当然と言えます。 会議中の二人の発言がもっとも多く、医療と介護の連携が思うように進んでいない現状認識を訴えられていました。
このプロジェクトは、今回が最終回のようで、厚生労働省のPJ事務局から前3回の議論を集約した「論点の取りまとめについて(たたき台)」が示されました。 最終的にはこの日の議論を踏まえた内容で、PJ事務局と西川厚生労働副大臣によりまとめられるようです。 短期的にとるべき施策については、来年度概算要求に盛り込まれ8月末には財務省に提出されることになります。
「論点の取りまとめについて(たたき台)」の中には、今後の認知症対策の具体的内容が示されています。 その項目として、 1.実態の把握、2.研究・開発の促進、 3.早期診断の推進と適切な医療の提供、4.適切なケアの普及、5.若年性認知症対策、 6.本人・家族への支援の推進が挙げられています。 西川副大臣他の指摘で、重複する記述もあるため、この後項目や構成が整理されることになりました。
医療側では、専門医療の提供及び介護との連携中核機関として、 当面全国150ヶ所に「認知症疾患医療センター」が設置され、連携担当者が配置する計画です。 また、地域包括支援センターに、新たに連携担当者を配置する方向で、予算の要求が行われます。 厚労省では、地域包括支援センターの現在の3職種とは別に第四の職種として配置し、 認知症対策を強化したいとする考えがありますが、兼務か、常も可とするか等々、具体的には全く未定です。 具体的なことはこれからとしながらも、「認知症疾患医療センター」と地域包括支援センターのそれぞれの連携担当者が、医療と介護のつなぎ役として位置付けることが示されました。 この点については、認知症介護研究・東京研修センターの永田久美子主幹は 「中核となる医療センターは大事だが、150ヶ所では到底足りず、現状では地域に密着していない」と、意見を述べました。 さらに「認知症疾患医療センターにたどり着けない人を支えることも必要であり、地域の基盤がしっかりしていないと持たない。 各都道府県が、目標値をもって、地域ケア体制の構築を進めることを推進すべきだ。 2つの基幹センターや地域のケアマネジャー、主任ケアマネジャーの役割分担が必要だ。」と。
上記の件は、新聞やテレビのニュースでも報道されましたが、報道内容とPJで議論されていた内容には、少々ズレがあるように感じました。
今後、今回の議論を踏まえて「論点の取りまとめについて(たたき台)」を修正することになりますが、 正式に公表されると思われるので、注目していきたいと考えています。 それによって、介護保険サービスの在り方も変容していく可能性があり、 介護事業運営にも少なからず影響がありそうです。


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