介護事業経営アドバイザー|福岡浩(介護事業運営・業務改善に関するコラム)

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介護事業経営アドバイザー 福岡浩のコラム

『専門的な見地からの意見』を求めていますか、求められていますか

居宅介護支援の運営基準第13条第9項には次のように明記されています。

(指定居宅介護支援の具体的取扱方針)
第十三条 指定居宅介護支援の方針は、第一条の二に規定する基本方針及び前条に規定する基本取扱方針に基づき、次に掲げるところによるものとする。
二  介護支援専門員は、サービス担当者会議(介護支援専門員が居宅サービス計画の作成のために、利用者及びその家族の参加を基本としつつ、居宅サービス計画の原案に位置付けた指定居宅サービス等の担当者を召集して行う会議をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該居宅サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めるものとする。

サービス担当者会議の目的や会議で話し合われる議題については、ケアマネジャーだけでなく、居宅サービス事業所の方々もよくご存じのことと思います。

利用者の要介護状態や生活歴、病状などのさまざまな状況により、議題も異なると思います。

さて、この会議の目的はあくまでも適正なケアプラン作成のためであり、その作成プロセスを了解してもらう意味でも、会議には利用者とその家族が同席することになっています。ケアプラン原案は、ケアマネジャーがアセスメントから導き出した仮説をもとに作成した計画と言えます。これをもとに居宅サービス事業所の担当者に、利用者の状況などを説明し、その情報を共有した上で、担当者から専門的な見地で意見を求め、ケアププラン本案の作成に活用するということが、サービス担当者会議で行われていると考えられます。ここまでは当たり前の話として、理解されていると思います。しかし、最近では、サービス担当者会議を形式的に開催し、開催したという事実をもって、ケアプラン原案=本案になることが多いという話を聞くことがあります。

しかも、会議は30分程度で終了することが多いとも聞きますが、果たして『専門的な見地からの意見を求める』というやり取りがなされているのか、やや疑問を感じるところです。

30分の会議を効率よく進行させるためには、ケアマネジャーが事前に個々のサービス担当者との間で、利用者の情報を共有したり、サービス担当者から意見を聴取していたりすることが多いようです。ただし、その意見が専門的な見地であるか、単なる個人的な意見なのか、ここが大きく異なるところです。専門的な見地を意識して意見を述べるなら、「訪問介護の専門的な見地としては、・・・・」とか、「通所介護から専門的な意見を述べさしていただくなら、・・・」というような話になっているのでしょうか。サービス提供責任者や生活相談員が、「私としては、…だと思います」とか、「個人的には、・・・ではないかと考えています。」など、サービス事業者を代表した意見ではないこともあります。勿論、・・・の部分の内容にもよりますが、大方は、個人的な見解になりがちです。

専門的な見地とは、利用者にとって訪問介護がどのように寄与して、どのような結果(成果物)を得られるか、などをわかりやすく、かつ論理的に説明できることではないかと言えます。

ただ、単純に「お風呂は、週2回より3回入っていただいた方がよいと思います。」とか、「ヘルパーさんはベテランで明るい人を訪問させた方がよいと思います。」というレベルの意見であれば、これを専門的な見地のから意見を述べたと言えないでしょう。

ケアネジャーは、30分の会議をどう進行させているのでしょうか。
最初の数分で、利用者やその家族が生活状況などを訴えることもあるでしょう。ケアマネジャーが補足的に利用者の状況等を説明し、情報を共有した後に、10~15分程度でケアプラン原案を説明していると考えられます。
この後に、すでにケアマネジャーが各担当者から聴取している専門的な見地による意見を、再度会議の場でも担当者に話してもらう必要があります。いわゆる会議前に行った根回し通りに会議で発言を求めるわけですが、これが十分にできていないとサービス担当者間の情報共有や連携もスムーズに進まない恐れがあります。

サービス担当者からの見解

2021年11月9日掲載

ライター:介護事業経営アドバイザー 福岡浩(元有限会社業務改善創研 介護コンサルタント)

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