介護事業経営アドバイザー|福岡浩(介護事業運営・業務改善に関するコラム)

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介護事業経営アドバイザー 福岡浩のコラム

利用者の満足度と情報開示の関係性

事業者が利用者に介護サービスを提供した後の利用者の満足度に関心を持っている事業者は多いと思いますが、どのように満足度を図っているのでしょうか。

利用者やその家族から、「とても助かっています。」とか、「いつもありがとうございます。」などと言葉をかけられることがあり、それだけで彼らが満足していると受け止めていないでしょうか。
本当にその言葉通りなのでしょうか。

さて、「満足度」について、具体的な定義を確認しておきましょう。皆様も自分の満足度として考えてみてください。「人の満足度は、得られた結果と事前の期待値により決まる」と言われています。

どういうことかと言えば、期待値が大きく、得られた結果(成果物)が小さければ、「満足度」が低く、不満足な状態となります。

もう少し具体的に申し上げると、利用者やその家族が自分たちに都合がよい援助や支援を期待していたところが、 介護保険サービスでは、サービスの提供範囲が限定されていますので、 彼らが期待していた援助、支援が得られないことがあります。
この場合の満足度は低くなります。
もちろん、苦情につながるような決定的な不満足ではないにしても、期待したほどではなかったということになります。
さらに、提供されたサービスそのものが粗悪で、期待値を大きく下回った時には、不満足な状態となることがあります。

こうした利用者やその家族の満足度について、介護サービスを提供する事業者の方々は、どれほど意識しているのでしょうか。
とにかく、一生懸命に利用者に寄り添ったサービスを提供していれば、満足していただけるだろうと思っているのでしょうか。
利用者に寄り添ったサービスという抽象的な表現をよく耳にしますが、人によって捉え方が微妙に違います。
また、利用者やその家族の方々にも分かり難いのではないでしょうか。
「一生懸命に利用者に寄り添ったサービスを提供していれば、満足していただけるだろう」と思っている事業者側の期待値が優先していないでしょうか。

本題に戻ります。「満足度」とは、得られた結果(成果物)が事前の期待値とほぼ同じだった場合に、いわゆる「まあまあ満足」となり、上回ったときに高くなります。

利用者やその家族が勝手に思い描いた期待値が高ければ、満足度が低くなるリスクがあります。

では、利用者やその家族が事前にサービスに関する情報を豊富に得られるとしたら、どうなるでしょうか。

より現実的なサービス提供が想像でき、要介護状態でも日常生活を送るために必要なサービスを利用する意識も形成されます。
よって、事前の期待値と得られた結果との乖離が生じにくくなるのではないでしょうか。

残念ながら、こうした考え方ができる介護事業者は少ないのが現状です。
事業所が提供する介護サービスに関する情報をできる限り開示し、公開しているかどうかがカギになると言えます。
それは、日々意識していなければ、利用者やその家族に届きません。
様々な機会をとらえて、事業所の現状をありのままに知ってもらう運営が重要だということです。
具体的にはホームぺージや介護サービス情報公表で公開している内容と運営の現状が乖離していないこと、その他に事業所を紹介するパンフレットも、わかりやすい言葉で、わかりやすい表現で、読みやすい文字の大きさで、作成されたものであれば、より伝わりやすくなるのではないでしょうか。

次の図をご覧ください。満足度を「満足」、「不満足」、そして「大満足」という3つの状態をイメージしてみましょう。
今、皆様の事業所は、利用者やその家族が事前の期待値を現実的に形成できるだけの自事業所の情報を開示し、公表できているでしょうか。
利用者やその家族の事前の期待値の正確性を高める努力は事業者側にもあります。

満足した状態とは、「得られた結果(成果物)」が、「事前の期待値」とほぼ同じだった時です。

成果物と期待値が同一

不満足な状態とは、「得られた結果(成果物)」が、「事前の期待値」を下回った時です。

成果物が期待値を下回った

「得られた結果(成果物)」が、「事前の期待値」を大きく上回った時は、大満足となります。

成果物が期待値を上回った

2020年5月16日掲載

ライター:介護事業経営アドバイザー 福岡浩(元有限会社業務改善創研 介護コンサルタント)

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