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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

自立支援・重度化防止を踏まえた利用者本位の介護サービスの実現に向けて

介護保険制度創設から18年が経過し、その間に法改正が平成18年、24年、30年と三回、医療・介護の一体改革で27年にも法改正があったので、計4回の制度改正が行われました。

制度創設時とは大きく変わってしまった印象は誰もが感じていると思います。

さて、30年は法改正、報酬改定、運営基準一部改正と目まぐるしくいろいろなルールが変わりました。 30年改正法のキーワードは、「自立支援、重度化防止」です。 この二つの言葉が先走りしているようにも思えますが、社会保障費が増加の一途を辿っている昨今の状況では、医療、介護の予算を抑制しようとするのは自然の流れでしょう。 要介護高齢者の重度化を防止して、支援を受けながらもできる限り自立した生活を続けてもらい、極力介護サービス費がかからないようにしたいという国の思惑があります。

昨年度一年間、議論を続いていた介護給付費分科会でも、『自立支援、重度化防止を踏まえた介護サービス』を目指すと言われていました。 同時にサービスの質の向上のためには、様々な加算が用意され、その中で自立支援、重度化防止につながる仕組みを作り上げようとしているのではないかと考えられます。

介護事業経営者はもとより介護の現場で実際に介護サービスを提供している介護職員の方々も、 口々に「介護サービスの質の向上」が大切だと言うようになってきました。 また、『利用者本位のサービスを提供する』とか、『利用者の要介護状態の維持、改善を目指すサービスを提供する』などと言った耳障りのよい言葉を、 ホームページや事業所パンフレットなどにも謳うようになりました。

しかし、一方で事業所にある各種マニュアル類をみると、『苦情処理マニュアル』だったり、ケアプラン作成ソフトには介護目標事例一覧があったり、 掲示物には『個人情報保護方針』や『個人情報の利用目的』が掲示さえているにもかかわらず、 訪問介護員の携帯電話には利用者の電話番号が登録されています。

利用者の苦情を「処理する」という感覚では利用者本位に通じるとは思えません。 アセスメントから導き出した個別性を重視して作成されるべきケアプランが、介護目標事例一覧から選択されて作成されている不思議、 利用者やその家族の個人情報を厳格に保護する立場であるはずの介護事業所で、個人情報が安易に扱われている事実を知れば、サービスの質の向上を目指しているとは思えません。

極め付けは、「実地指導対策」です。実地指導を対策で乗り切り、実地指導が終われば今まで通りの事業運営に戻ります。 何も改善しない、だからサービスの質は向上しません。

そろそろ、本気で利用者本位のサービス、顧客本位のサービスを目指してほしいものです

2018年10月12日掲載

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