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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

顧客本位のケアプランはどうやって作成されているか?

平成18年度から始まった『介護サービス情報の公表』制度では、調査員が調査員マニュアルや調査票記入マニュアルなどをもとに「あり」「なし」を判断しています。 調査員を務める私も、年間に40カ所ほどの介護事業所や介護施設等に訪問し、 重要事項説明書や契約書、アセスメント表やケアプラン、サービス計画書やサービス提供記録書、研修計画書や研修実施記録書などを確認しています。 恐らく、私は他の調査員と違い、一瞬のうちにケアプランの第一表、二表、三表を読みます。 また、訪問介護計画書や通所介護計画書などの介護目標も読んでいます。他の調査員は「あり」か「なし」を判断するだけですので、内容までは確認していません。

顧客本位(利用者本位)のサービス提供のために作成されているケアプランやサービス計画書であるかどうかは、 ケアプランやサービス計画書を見るよりもアセスメント表(アセスメントシート)の内容を見る方が、よりよくわかります。 勿論、「基本情報に関する項目」であるADLや家族構成、病歴などを見るだけなく、 利用者の生活状況や利用者本人の生活に対する希望(主訴)の欄にどのようなことが書かれているかを読みます。

また、「課題分析に関する項目」の社会との関わりや居住環境などの項目で、どれだけの情報収集が行われているかを見ると、 これらの欄に書かれている内容は、ケアマネジャーによって大幅にその量も違いがあります。

たとえば、社会との関わりの欄に、「民生委員がよく来ていて、どんな話をしているか」、「長年行きつけだった美容室に行かれなくなったこと」などが書かれていたり、 居住環境の欄には、「庭の草取りをどうしているか」、「本人が気づいていなかった雨漏りの痕をみつけたこと」などが記録されています。 そうした観察結果や聞き取ったことが多くみられるアセスメント表に出会うと、 そのケアマネジャーから利用者本位の視点で観察し聞き取りを行っていることが分かります。

アセスメント表に書かれている情報量は、ケアマネジャーによって相当の差があります。 一概に情報量が少ないからケアマネジメントの質が低いとは言えるものではありせんが、利用者の情報量が多いことのメリットは大いにあります。 利用者の課題に優先順を付けて支援のロードマップを描くためには、できるだけ多くの情報が必要です。 「そんな当たり前のことはわかっている」と言われそうですが、顧客本位(利用者本位)の姿勢があるかどうかは、アセスメント表からはっきりと読み取れることがあります。

アセスメント表にある利用者情報の質と量を見て、ケアプランがどのように作成されているか想像しながら、次にケアプランを見せてもらいます。

詳細な利用者情報とその豊富な情報量をもとに作成されたケアプランが、 想像した通りの内容だと顧客本位(利用者本位)のアセスメントが行われていることを実感します。 ケアマネジャーが顧客である利用者にどれだけ関心を持って接しているかは、アセスメント表に表れています。 そのアセスメント表をもとにケアプランが作成されているならば、顧客本位の介護サービスが提供されるでしょう。 勿論、サービス事業者にもケアプランを読み取る力量があるという前提になります。 ケアマネジャーと各サービス事業者との連携は、今まで以上に利用者本位であることが望まれます。 ともすると形式的なアセスメントを行い、機械的に作成されたケアプランをもとに建前上のサービス担当者会議が開催されていないだろうかと思えるケアプランを見かけることがあります。 しかし、当事者たちはなかなか気づきにくいので、第三者の視点でケアプランやアセスメント表をチェックする機会がほしいものです。

2017年2月15日掲載

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