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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

介護事業における「辞令」の必要性

【実地指導で「辞令」の確認】

最近の実地指導では、雇用契約書以外に「辞令」を確認することがあるようです。 例えば、「生活相談員を任命する」とか、「訪問介護事業所サービス提供責任者を任命する」という会社が従業者に出す書面です。 この「辞令」も確認したうえで、実地指導担当者は勤務形態一覧表を確認することになります。

雇用について契約していることを確認するだけでなく、雇用された人の担当する業務や職位などを確認するために「辞令」の控えの提示を求めることがあるということです。 雇用した人と勤務形態一覧表を照合し、職位や役割を見るためです。

【「辞令」の必要性】

さて、従業者に「辞令」を出している介護事業者はまだまだ少ないようですが、本来は必要ですが、そもそも「辞令」がどういうものかわからないのではないでしょうか。

人を雇用する際には、雇用契約を交わします。その契約内容には、その人にどのような業務を担当してもらうか、 勤務場所はどこか、将来職務内容や職場が変わる(転勤など)可能性の有無などを明記しているはずです。

ある職務、職責を担当してもらう人材を募集して雇用すれば、その人にいつからどこでその職務を担ってもらうかを明示する必要があります。 ほとんどの場合、口頭で行われているようですが、正式には「辞令」を交付する必要があります。

【会社と介護事業所、介護施設の関係】

介護保険サービスの事業を始めるにあたって、指定申請上は法人格でなければなりませんから、個人では事業を開始できません。 そこで、法人格を得るために法人を設立します。 一般的には株式会社や合同会社、合資会社、NPO法人などが該当する法人格です。

社会福祉法人や医療法人なども同様に法人格ですが、すでに法人として実績があれば、指定を受けて介護保険サービスの事業を始めることができます。

介護保険制度の下で介護サービス事業を開始すると、事業所や介護施設が実際の業務の中心となるので、会社経営という概念が薄れてしまいます。 初めから経営という概念がないまま、介護事業を運営しているので、人、モノ、カネを管理する体制が整っていない実態が容易に想像できます。

会社は、雇用した従業者の管理業務として最初に行うのが雇用契約であり、誓約書などの提出を求め、事務手続きが完了すると、「辞令」を交付します。 雇用契約の当事者は、被雇用者と会社であり、介護事業所や介護施設ではありません。介護事業所や介護施設は、配属先(職場)ですので、当然「辞令」が必要です。 一般的な会社で言えば、介護事業所や介護施設は一つの部署、部門ですから、「辞令」によって勤務内容や勤務場所、勤務の開始時期を明示することが必要なのです。

下記の図をご覧ください。

会社(法人)が介護事業所や介護施設などを運営管理していますので、会社は社員や従業者との雇用契約に基づいて配属先での業務内容などを書面により明示します。それが「辞令」です。

辞令交付と会社・施設の関係

2016年12月6日掲載

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