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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

個人的に参加する外部研修と事業所のサービスの質を高める研修

介護施設や介護事業所に勤務する介護職員やリーダー層、フロア責任者、管理者など様々な立場によって、その業務に必要な知識や技術の習得は必要です。 誰もがそう思っています。 しかし、それは何のために必要なのか理解しているのでしょうか。

介護施設では特別養護老人ホームのようにユニットごと、フロアごとに介護職員が配置されていて、それぞれの部門にはリーダーがいます。 また、訪問介護事業所には管理者、サービス提供責任者、常勤、非常勤の訪問介護員がいます。 当然のことですが、サービスの質の向上とは、介護施設や介護事業所に所属する人たちが全員で取り組むべきものです。

しかし、残念なことに介護現場に勤務する介護職員の中には、自己研鑽のための外部研修には熱心に取り組みますが、事業所や施設全体で行う内部研修への参加には消極的な人もいます。 しかも、自己研鑽に積極的な介護職員は、有給休暇や夜勤明けの時間を工夫して自分に必要だと思った外部研修に自己負担で参加しています。 「必要だと思った外部研修」が本当に当人に必要かどうかは客観的に判断されていません。 場合によっては、単に「興味がある外部研修」に参加しているだけかも知れません。 そうした介護職員が勤務する職場の上長はそのことをほとんど知りません。 時には管理者や職場のリーダーでさえも個人的に外部研修に足繁く通うケースもあるようです。 研修事業を生業にしている会社の担当者からも、そうした実情をよく聞くことがあります。

一方、計画的にサービスの質を高めるための研修を行っている法人や会社では、ある意図があって全従業者に対し業務に必要な研修以外に自己研鑽のための外部研修にも積極的に参加させています。 このような法人や会社は、個々の従業者の経験年数、実務経験の分野、取得している資格、ある一定水準の技術などを把握していて、 彼らに必要な技術や知識を身に付けさせるための研修や個々の自己研鑽を目的とした研修等に参加させて、 その費用も法人、会社が負担しています。 内部研修については、年間研修計画が策定され、個々の従業者の個別計画には外部研修の予定も盛り込まれています。 その結果、計画に掲げられた目標が達成できた否かを評価する仕組みもあり、従業者の育成にもPDCAサイクルを機能させようとしています。

個人的に自分で決めて参加する研修は、それが職場全体に有益かどうかで判断されていません。 従って、どこまでも個人にとっての自己満足、自己啓発が目的となります。 例え、「こんな知識を身に付いたら、自分の仕事に活かせるだろう。」と考えたとしても、その職場にいる他の職員との知識や技術の差が生じるだけで、職場全体のメリットにはなり難いのではないでしょうか。

時には個人的に外部研修に参加することそのものが当人の自己満足になっていて、職場の他の職員に対する密かな優越感を求めているだけということもあります。 「うちの職場にいる連中は、私のように全然勉強しないから、いっしょに仕事をしていてもやり難い。」という旨の声を聞くことがあります。 結局、そういう人はその職場を去っていき、別の職場でも同様の行動を繰り返します。

様々な介護施設、介護事業所を見ていると、「やらなければならない研修」から「利用者(顧客)満足のために行う研修」への意識の切り替えが必要ではないかと感じます。 簡単ではありませんが、どうすれば意識改革ができるのか考えてみましょう。

2016年4月5日掲載

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