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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

要介護3という基準の重要性と「介護保険サービスのプロフェッショナル」

昨年6月に成立し、平成27年4月1日に施行される「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」は、 介護保険法で定めている5年に一度の法改正とは別の改正であり、三年後の平成30年には、本来の5年に一度の法改正があります。

今回は、医療法とともに介護保険法も改正され、施行と同時に介護報酬も改定されます。それは、平成30年も同様に同時改正、改定になります。

「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」の概要では、介護保険法関係が以下のような内容となっています。

3.地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係)

①在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を地域支援事業に移行し、多様化
※地域支援事業:介護保険財源で市町村が取り組む事業
②特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化
③低所得者の保険料軽減を拡充
④一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ(ただし、月額上限あり)
⑤低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加

特に注目しておきたいのは、②です。特別養護老人ホームの入所条件を要介護3以上とし、その機能を在宅生活が困難な中重度の要介護者に限定しています。 もちろん、例外的に軽度者の入所もあるということです。

さて、在宅生活が困難ではない中重度の要介護者は、居宅サービスを利用して在宅生活を継続することになりますが、 そのサービスの中心的な役割は、「定期巡回随時対応型訪問介護看護」や「小規模多機能型居宅介護」に委ねる方向性が示されています。 特に医療から在宅への流れの中では、医療依存度の高い中重度者を対象として対応することになるようです。

次期法改正と報酬改定において、居宅サービスの利用範囲も要介護3を基準にし、中重度者を中心とした介護保険サービス提供体制の整備が進むのではないと考えられます。 分かりやすく言えば、施設サービスも居宅サービスも、対象者は要介護3以上の中重度者に限定される可能性が考えられます。

中重度で在宅生活を継続できる要介護者は居宅サービスを利用し、軽度者である要介護1,2の要介護者は、新しい総合事業が提供するサービスに移行するのではないか。 介護予防サービスのうち、訪問介護と通所介護が新しい総合事業へ移行することにより、その先には要介護1,2の取り扱いをどうするかが気になるところです。

今回の改正法に見られる「専門的サービス」と「多様なサービス」という表現が示すのは、何でしょうか。 プロフェッショナルが提供するサービスとアマチュアが提供するサービスと解釈するならば、 プロのサービスが必要な要介護者は、中重度者であり、アマチュアのサービスでも十分に日常生活が継続できるのは、 軽度者であるという考え方、理屈が見え隠れします。 そうなると、「専門的サービス」を提供する介護事業者は、今以上にその専門性を高めることが求められるようになるのではないでしょうか。

ここで大切なことは、「介護サービスのプロフェッショナル」と「介護保険サービスのプロフェッショナル」の違いです。 介護そのものの技術や知識、豊富な経験だけであれば、「介護のプロフェッショナル」ですが、介護保険サービスのプロフェッショナル」となると、それだけではないはずです。

介護保険サービス事業者の皆様には、是非、この「介護保険サービスのプロフェッショナル」を目指していただきたいと思います。

2015年3月27日掲載

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