介護コンサルティングネット:有限会社業務改善創研|介護コンサルタント福岡浩

介護コンサルティングネットへのお問い合わせ

利用者本位のサービスを実現するために、介護事業運営の仕組みを改善します。

ホーム2014年12月のコラム

有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

『独立型ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)』の考察

独立型居宅介護支援事業所の定義と言えるような明確なものが見当たりませんが、強いて言えば、 平成23年9月5日に開催された「社会保障審議会介護給付費分科会」第79回で配布された資料2-3に、簡単に表記されていました。 特別に難しいことではなく単に居宅介護支援事業所が他のサービス事業所と併設しているか否かの違いだけであり、 他のサービス事業から独立して運営されていることをもって独立型と言っています。

実際にはその当事者である独立型ケアマネジャーの方々に尋ねると、 「併設型の場合には、赤字部門の負い目があり、自社のサービスをプランに入れることが暗黙の了解で行われる」から、 本来のケアマネジメントが損なわれる恐れがあるという趣旨の説明を聴くことがあります。

併設型の居宅介護支援事業所がすべてそうだということではないでしょうが、自社のサービスをケアプランに盛り込むことを目的としていることは容易に推測できます。

さて、独立型居宅介護支援事業所は、一体どのくらい存在するのでしょうか。 前述の資料には、全事業所数の10.5%で、年々増加傾向にあるようです。

一方の併設型居宅介護支援事業所は、そのうちの50%が訪問介護事業所併設であり、 続いて40%弱が通所介護事業所に併設されています。

ある訪問介護事業所に併設されている居宅介護支援事業所の複数のケアマネジャーに、併設型のメリットを尋ねました。 即座に返ってきた答えは「情報の共有が迅速かつ正確に行われること」だそうです。

しかし、併設型でも事業全体の運営が厳しい事業所では全く逆の回答になります。 それは当然のことですが、併設型、独立型にかかわらず、お聞きしたケアマネジャーの多くは、 「いつもサービスを依頼する事業所は決まっている」という回答でした。 その理由は、「サービス事業所の担当者との連携がやりやすい」とか、「常に連絡が取りやすい」、「サービス提供状況の報告が迅速かつタイムリーである」などが挙げられました。

ところで、一口に「独立型居宅介護支援事業所」と言っても、幾つかの運営形態があります。 一般的に言われている独立型で「一人ケアマネ事業所」または二人のケアマネジャーで運営している事業所は、 他のサービス事業所を併設していないので、事業経営としての採算性はかなり厳しい状態であることがわかります。 一方で、主任介護支援専門員を置き、3名の常勤ケアマネジャーが在籍して、特定事業所加算を取得している居宅介護支援事業所は経営的にも若干の余裕があり、 「独立型居宅支援事業所」としての本来の目的に適っていると言えます。

独立型の「一人ケアマネ事業所」は、一人であるが故に様々な情報に疎くなるリスクがあったり、 ケアプラン作成におけるチェック機能がないなどの問題点が指摘されています。 このようなデメリットを予め理解している一人ケアマネジャーは、積極的に必要な情報を収集したり、困ったときの相談相手も複数いるようです。

また、併設型でも「一人ケアマネ事業所」があります。 例えば、訪問介護事業所と併設している居宅介護支援事業所で、ケアマネジャーが一人だけという場合にも、 この「一人ケアマネ」が孤立してしまう危険性があると、ケアマネジャーとしてのスキルアップも難しくなります。

冒頭で、「他のサービス事業所と併設しているか否かの違いだけであり、他のサービス事業から独立して運営されていることをもって独立型と言っています。」と申し上げましたが、 それは介護支援専門員に「公正中立」であることが求められているからでしょう。

さらに利用者のためにケアマネジメント力を発揮し、その力量を高めていこうとするならば、 一人ケアマネ事業所ではなく、複数のケアマネジャーが在籍し、 個々の異なった基礎資格や経験が活かせる事業の仕組みが形成されている居宅介護支援事業所が、本来の「独立型」ではないかと思います。

2014年12月10日掲載

「介護コンサルタント福岡浩のコラム」の先頭に戻る