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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

同時に行われる法改正と報酬改定

5年に一度とされている介護保険法の改正は、来年4月の医療と介護の一体改革に伴う法改正があるために、報酬改定が同時に行われることになりました。 過去には平成18年、24年と2回の同時改正、改定がありました。

今回の法改正は、三年後の平成30年に予定している法改正、報酬改定の序章ともいうべき内容だと言われています。 さらに三年後は介護保険サービス利用者にとっても、介護事業者にとっても厳しい改正、改定になるのではないかと思います。 今回の改正、改定が過去の2回の同時改正、改定と違うのは、「医療と介護の連携強化」をことさらに強調していることです。

介護保険法の第一章第一条には、

(目的)?この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、 これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、 必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、 その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。』

と謳っていることを思い起こしてみると、介護保険制度が始まった時から、医療と介護の連携が前提であったはずなのに、 なぜ今、「医療と介護の連携強化」と連呼しているのか不思議に思えてきます。

国は、医療費を抑制するという目的で介護保険制度を創設したのに、その目論見が外れたのか、 思った通りの結果に行きつかなかったのだろうか。 介護保険制度施行前までは、医療機関が治療も療養も延命措置対応も行ってきたから、医療費が増大したと言われましたが、 15年経つ介護保険給付費も増大の一途を辿っているので、これからは介護保険給付費の抑制も必要になってきたのでしょう。 医療から病院での療養、介護を切り離し、介護保険制度が創設され、今度は介護から介護予防を切り離す、 そして、生活援助(訪問介護)も生活支援サービスに組み込んでいく流れが覗えます。

法改正と介護報酬改定が同時に行われる時には、大幅な改革を断行しやすい環境にあるのでしょう。 法改正の方向性に照らして報酬改定が見直されるのは当然ですから、 報酬改定の内容だけを気にしていても、その改定の背景が見えてきません。 改定の背景が見えない、わからない、理解できなければ、次期改正、改定の時には、事業経営にも影響するのではないでしょうか。

加えて、介護保険法第4条も、今一度確認しておきましょう。

(国民の努力及び義務)国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、 要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。
2? 国民は、共同連帯の理念に基づき、介護保険事業に要する費用を公平に負担するものとする。

介護保険サービスに関わる医療機関や介護事業者、そして何よりも被保険者である利用者やその家族が忘れてはならないのが、この第四条です。 国民に努力、義務を求めているのです。 「自ら進んで予防する努力」や要介護状態になってもリハビリやその他のサービスを利用して「現状の能力の維持、向上に努める」ことを求められています。

2014年11月30日掲載

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