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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

利用者やその家族の視点で介護事業を見る

ある介護施設に入居している要介護4の利用者家族からお電話をいただきました。

お電話の内容は残念なお話です。施設の介護サービスの内容や職員の対応などがあまりよくないという旨のお話でした。 しかもベッドから車いすへの移乗介助中に介護職員が利用者を床に落としてしまい、骨折したそうです。 そのことについては、お電話なので十分なアドバイスができませんでしたが、最低限の対応方法をお話しいたしました。

さて、その方が電話の冒頭にこんなことを言ってくださいました。
「時々、御社のホームページを拝見しています。コラムの内容も興味深く読ませていただいています。 特に関心をもったテーマは、プリントして家族もいっしょに読んでいます。」
という主旨で、お褒めいただきました。 介護サービスを利用されている方にも、ほんの少しお役にたてているようで、うれしいお言葉でした。

振り返ってみると、私が書いているテーマは、介護施設や介護事業所の事業の運営、サービスの質などが多く、介護、医療、福祉の分野に関わる方々を念頭に発信しています。 しかし、私の意図とは違う方も閲覧されていることがわかり、少々驚きもあります。

利用者やその家族の視点で介護事業を見る」ということは、8年間「介護サービス情報の公表制度」の調査員を務めながら、常に意識してきました。 その姿勢は、介護事業運営コンサルティングの場面でも変わりません。 時には介護事業者に厳しいと思われるような提案や改善を促すこともあります。

無意識に事業者本位のサービス提供を行っている場合には、 その現状が間違っていることに気付き、その改善・改革の必要性が理解できなければ、利用者本位のサービス提供体制には向かわないのです。 そういう介護事業者はまだまだ多いと言わざるを得ません。

介護サービスを利用している要介護高齢者やその家族に共通しているのは、 「介護事業所や介護施設にお世話になっている」という負い目を少なからず感じていることです。 介護保険制度の創設の発端は、家族による介護には限界があり、「介護の社会化」という方向性が明確になっていました。 その上で、国民皆保険という制度になったわけです。

措置サービスと大きく変わった点は、それまでの公的機関や社会福祉法人などに加えて、 介護サービス提供者として民間事業者の参入も奨励し、利用者と介護事業者との契約のもとにサービス提供が行われる仕組みになりました。 その契約は双方対等であると同時に、要介護高齢者という弱者を保護するために、関係法令や省令等により、 重要事項の説明や記録の開示要求に応えることはもとより、利用者やその家族からの苦情や相談には積極的に対応することを義務付けています。 また、介護保険法によって介護事業者の事業運営に一定の運営基準を設けています。その運営基準に反した事業者には、相当の罰則があり、事業の継続が困難になることもあります。

「利用者やその家族の視点で介護事業を見る」とは、介護事業者が利用者中心のサービス提供を実施しているかどうか、 その根拠(記録類)を明確にしているかどうか、ということに他なりません。

利用者やその家族は、立場上、事業者と対等な契約関係にありますので、サービス内容が約束と違っていたり、不十分だったりしたときは、 いつでも是正を求めることができます。事業者もそのことを十分に理解し、利用者本位のサービスの質の向上を目指さなければなりません。

2014年10月18日掲載

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