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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

親族その他の介護のために離職する人が48万7千人

衆議院議員の長妻議員が内閣総理大臣に対し、10月24日提出した質問主意書の一部で、
『いわゆる介護離職といわれる、介護をするために、職を辞めざるを得なくなっている方々の問題がある。この原因は何か。また、これらの問題は、内閣の成長戦略にマイナスとなるとの認識があるか。』
『いわゆる介護離職はどのくらいの人数か、過去に遡ってお示し願いたい。』
という、介護離職の原因と政府の認識、および人数などについて質問しています。

これに対する安倍総理の回答は、
「仕事と介護の両立が難しい職場であると感じている労働者が多いこと等が原因であり、我が国の成長戦略の観点からも重要な課題と認識している」
と回答し、
「過去5年間で介護、看護のために前職を離職した15歳以上の者を、平成14年10月から調査しており、 平成14年10月調査では約52万4000人、平成19年10月調査では約56万8000人、平成24年10月調査では約48万7000人となっている」
などと調査結果を答えています。

さて、介護保険制度が始まって13年になりますが、直近の5年ごとの調査で48万7000人の介護離職者がいるということは、 1年間に10万人近い有職者が介護のために職を離れていることになります。 これは、日本経済にも少なからず影響があると考えられます。 政府も『重要な課題』という認識がありながら、改善の方策を示せないままです。 単に介護休暇を取得して介護に専念すればよいという対応策ではないということが数字に示されてしまいました。

全く逆の見方をすれば、介護保険制度があっても介護離職者が多いのはなぜだろうかと素朴な疑問が残ります。 「これからは家族介護ではなく、社会全体で要介護者を支える仕組み」として登場したはずの介護保険制度なのに、 これが十分に機能していないのではないか、介護保険サービスが使い難くなっているのではないかということになります。

例えば、訪問介護の生活援助サービスは、同居家族がいる場合には原則的に利用できないことになっていますが、 同居家族が勤めていれば、要介護者は日中独居となります。 それでもサービスが使えないとなれば、要介護者の介護のために、同居家族はその仕事を辞めることになります。

日本経済を支えている貴重な労働力が家族の介護のために減少しているということになりますが、 それだけでなく、収入が断たれることになるので、消費活動も減少し経済成長は鈍化することになります。 アベノミックスの2%成長は元々困難な目標だといわれているのに、さらに達成は難しくなるでしょう。

2013年12月4日掲載

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