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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

経験豊富な人材の採用リスク

経験豊富な人材を採用し、1ヶ月過ぎたころから、以上のような発言が一日数回あります。 周囲の従業者たちもこの経験豊富な新規採用者に、一目おいて対応しているので、表面的には職場の雰囲気にも変化がないと思われます。

しかし、三ヶ月が過ぎ、半年近く過ぎて徐々に職場に対立軸が表面化していきます。 特に利用者への介護サービスの提供に関する意見や考え方の相違が表面化し、 それが平行線のまま、何の解決の手立てもなく時間が過ぎることがもっとも危険です。 管理者や部署の責任者が打った手立ては往々にしてその場限りの場当たり的な対応に過ぎず、亀裂は深まる一方です。

管理者や部署の責任者なら誰でも、経験豊富な人材は採用後に即戦力になるという考え方をもっています。本当にそうでしょうか。 勿論、採用する人材の人柄や経験の内容、経歴なども加味して採用するでしょうから、上記のような採用後に起こる現象はそれほど多くないと考えられがちです。 しかし、本当にそうでしょうか。 事態を深刻に受け止めず、対応が遅れて職場の風土は壊れることもあります。

経験豊富な人材として採用される人は新しい職場に早く馴染もうとするあまりに、自分の存在価値を周囲に認めさせたいという思いが強く作用します。 そのために実力以上のことを言ったり、その職場の現況を否定的な観点で受け止め、傍観者的意識が強まります。

新規採用の経験豊富な人材が冒頭の4つの発言やそれに類する発言を繰り返す場合に、 管理者や部署の責任者がこれに気付けなかったり、気付いていても放置していれば、職場の雰囲気は最悪の状態に陥ります。 その後間もなく、この人材は辞めます。そして、次に採用する新たな経験豊富な人材へのアレルギーと先入観だけが残ります。

では、管理者や部署の責任者は経験豊富な人材を採用した後に何をすればよいのでしょう。 それを突き詰めて考える管理者や責任者はそれほど多くいません。 考えているとしても、十分ではなかったり的外れだったり、様々なのです。 経験の浅い人材、未経験者などの新人を採用しても定着に失敗する管理者、責任者もいますが、 それ以上に経験豊富な人材を職場に馴染ませ、定着させることの方がはるかに難しいと言えます。

それは、「即戦力になる」という安易な思いが、採用後の人材に対する指導、支援、取扱いに失敗しているのではないでしょうか。 「即戦力になる」=「業務が楽になる」ではありません。 むしろ、「即戦力にする」=「業務を拡大する」=「顧客を増やし売上を上げる」という発想が必要ではないでしょうか。

管理者が行なうべき人材のマネジメントが不十分ならば、経験の浅い人材も経験豊富な人材も取り逃がすことになります。

こんなことを言ったり、考えてみたりして一件落着します。

確かに採用した人材にも多くの問題がある場合があります。 しかし、それは採用前の面接時に管理者や責任者がチェックしているはずですので、面接方法の見直しも必要になるでしょう。

2013年4月21日掲載

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