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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

デイサービス急速増加のわけ

先日、日経新聞社主催のFCショーを見学しました。 目的は、デイサービスのフランチャイズチェーン(FC)本部が10数社出展しているので、その展開状況を知りたいと思ったからです。

確かにそれぞれのFC本部が訴えている「当社のデイサービスの特徴」は様々ではあります。 しかし、FC本部に共通する点が1つあります。 それは、通所介護の一日利用定員が10名以下となる小規模事業所を勧めています。 理由は簡単で、看護師配置が必要ないからです。 また、デイサービス物件の提案は、民家改造型のデイサービスからコンビニ撤退後の物件利用型デイサービスまで色々とあります。 場合によってはシャッター通り商店街の空き物件も可能ではないかという話もあります。

さて、このFCショーを見学して、強烈な印象を受けるのは、コンビニやラーメン店などのFC加盟案内と同様にデイサービス運営事業も簡単に開業ができるという謳い文句です。 「介護のことが分からなくても、経験がなくても本部が指導、支援するので、安心して開業できます。」というものです。 しかし、加盟店(加盟法人)の事業所を指導、支援する業務を行うスーパーバイザーが数名しかいないなど、これで安心と言えるのかと不思議に思うようなFC本部もあります。

また、月々のロイヤリティ(上納金など)が安いだけで、加盟店支援体制が整っているかどうか判断し難い本部もあり、玉石入り交じっている状態だと感じました。

それでは、どのような特徴をもったデイサービスを展開しているのでしょうか。 すでに様々な問題を抱えながらも拡大しているお泊りデイサービスや、短時間のリハビリデイサービス、 入浴サービス中心の銭湯デイサービス、マッサージ(この表現は正しくないが)中心のデイサービスなど、 これを特徴と言ってよいかどうかわかりませんが、これで経営が成り立つかどうか疑問です。

しかし、通所介護の小規模事業所は増えています。FC加盟による事業所ばかりではありませんが、簡単に始められるイメージが定着しているようです。 同時に簡単に止められるという印象もあります。

先頃、帝国データバンクが発表した2012年における老人福祉事業者の倒産件数は29件で、 2009年の32年に次ぐ過去2番目の高水準だそうです。 今後も倒産件数が増える傾向があることも指摘しています。 倒産の原因は、主に介護報酬の引き下げや、施設サービスにおける居住費用、食費が介護保険給付対象から除外されるなど、 環境の変化に伴い、経営環境が悪化する業者が増加したことによると分析しています。

デイサービスは急速に増える一方で、数年後には止める事業者も増えるだろうと推測できます。 利用者やその家族、その担当するケアマネジャーがどのようにデイサービスを選択しているのか、少々気になります。 最近では、通い慣れたデイサービスやデイケアが残念ながら廃業したために新たなデイサービスを探して通い始めたけれど、 なかなか馴染めなくてストレスを抱えたという利用者の話を聞くこともあります。

デイサービスが増えている理由が、「簡単に始められるから」「FC加盟ですぐ始められるから」ということなら、何か割り切れない思いが残るのは私だけでしょうか。

2013年3月15日掲載

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