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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

職場の「組織図」と「業務フロー図」

会社組織に限らず、人が集まって団体組織を形成すると必ず「組織図」を作ります。 誰ともなく「組織図」が必要だと考えて作ることになるようです。 会社組織であれば、会社全体の「組織図」や部署、部門ごとのものもあるでしょう。

「組織図」をつくる目的は何かと、考えてみるとすぐに思いつくのは、命令系統や指示系統を明確化するためとか、 その組織内の各構成員の役割や職務、機能を表わして組織構成員全員の共通認識と理解です。 一般的には、「組織図」は職務権限規程などの中に示されていることが多いものの、「組織図」だけしか存在しない場合もあります。

さて、その「組織図」があれば、その図の通りに個々のパフォーマンスが発揮され、組織が機能しているのでしょうか。 「組織図」を作成している段階では、個々の職務に求められる役割と責任を検討しながら、進められます。 その職務に就く個人を想定したものではないことは明らかです。

実際に「組織図」が完成し、個々の職務、職責に人を当てはめて組織を動かそうとしますが、なかなか上手くいかないことがほとんどです。 それは、職務権限規定で求められている責任と権限によって業務を遂行する力量が足りない人にとっては、 その負荷が大きく、組織が機能し難い原因の一つになりかねません。

「組織図」を作成しても、組織がその図の通りに動くことはあり得ない、 しかし、「組織図」をつくっています。 最悪の状態は、「組織図」をつくると、組織がその通りに動き出すという妄想に陥ることです。 また、単に「組織図」がその組織の理想像を示しているに過ぎず、建前上作成したという場合もありそうです。

経営者から「これが当社の組織図です。なかなか、この通りには動いていなくて困っています。」という話はよく聞きます。 よくよく振り返ってみると、「これが当社の組織図です。組織図通り、社員が動いているので、組織図は大事です。」という話は聞いたことがありません。

会社組織の各部署や部門では、これまた「業務フロー図」なるものをよく見かけます。 前述の「組織図」と同様に、この「業務フロー図」通りに業務が進行しているとは思えないことがあります。

そもそも、この「業務フロー図」は、一体誰がいつどういう目的で作成するのでしょうか。 業務マニュアルや業務手順書などの中に必ずあるのが、この「業務フロー図」です。 それは、各部署、部門内の担当者が代わっても、業務に支障が起きないようにするために用意されているはずです。 もっといえば、誰がやっても同じ結果が得られるように、業務手順を統一することが重要だという考え方から作られているはずです。

しかし、残念ながら、業務に支障が起きます。業務の進行が滞ったり、優先順位が逆転していたり、様々な問題が起こります。

その部署、部門に精通した人が、自分の頭の中に思い描いている業務フローを文字化、ビジュアル化したものが、「業務フロー図」だとすれば、 彼は、「このフロー図に従って業務を進めてください」と言って、関係する人々に「業務フロー図」を見せます。 勿論、その詳細を説明することもあるでしょう。 しかし、その図の通りにフローしないことが多いのは、なぜでしょうか。

誰かが理解していない、理解していないことに気付いていない、誰かがサボっている、サボってもフローしていると思っている、誰かは決められた通りやっている、など様々です。 少し極端な表現ですが、もともと、「業務フロー図」が必要だという理由も理解されていないまま、業務が進行しているように思えます。

あるサービス提供責任者が「業務フロー図に沿って仕事をすると、大変です。 だから、自分たちのやり方で進めた方がスムーズにできます。」と、聞いて驚きました。さて、どうすれば良いのでしょうか。

2012年9月1日掲載

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