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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

ベテランヘルパーさんたちが言う「活動」って何?

訪問介護事業者の管理者やサービス提供責任者の職にある年配のベテラン介護従事者や経験豊富なヘルパーさんの多くが、 利用者宅へ行き訪問介護サービスを提供することを「活動に行く」と言います。 私は、初めてこの表現を聴いた時は意味がよく分かりませんでした。 「今日は活動が3つもあって疲れました」とか、「活動中におトイレに行きたくなったら、どうすればいいですか」などと言うのはなぜでしょうか?

介護保険制度が始まった平成12年(2000年)以前は、措置制度でした。行政処分によるサービス提供であり、民間事業者も少なかった時代です。 自治体が事業運営主体であり、ホームヘルプ事業などいう名称で、 ヘルパーさんを募集して家事を中心としたサービスを提供していたようです。 しかし、「サービス提供」という言い方がなかったのかどうか定かではありませんが、 少なくとも「活動する」という言い方だったことは間違いありません。 以前、ベテランのヘルパーさんにそのような説明を受けたことがありました。 現在、60歳を過ぎても活躍している訪問介護員養成研修2級課程修了者、 いわゆる2級ヘルパーの方々はほとんどが「活動」と言っているようです。 措置制度時代に訪問介護員養成研修を受講された方々は、 教えていた講師たちから「活動」という言葉で教わったのでしょう。 少なくとも介護保険法に書かれている文言は、「サービス提供」ですから、介護保険制度施行以前にはなかったはずです。

制度が大きく変わって12年も過ぎているのに、 相変わらず利用者宅に行ってサービスを提供することを「活動」と称して仕事をしているのです。 時にはサービス提供責任者や管理者の方でも日常業務の中で「活動」という言葉で会話しています。 もしかしたら、「サービス提供記録書」ではなくて「ホームヘルパー活動日記」などという名称の記録書があるのではないかと思えてきます。

今回の法改正と介護報酬改定に伴い、 「自立支援型のケアマネジメントの推進」という謳い文句があるように、 自立支援を念頭にした訪問介護サービスであるべきだと言っているように受け止められます。 これは、訪問介護サービスの提供時間が短時間化していく方向性を示したことと無縁ではありません。

措置制度ではヘルパーさんが家政婦さんと同じような仕事を、ボランティアのような気分でやっていたかもしれません。 介護保険制度施行後も「ホームヘルパー」という名の通り、 家事一切を公費でやってくれるアリガタイ制度だと勘違いしている利用者も多かったから、 それに応えるべくヘルパーさんは奮闘していました。 その奮闘している姿はまさに「活動」なのでしょう。 どれだけ利用者の代わりに色々なことができたか、それによって利用者がどれだけ喜んでくれたか、 その喜んだ顔を見て自分はとても満足できた、という強い思いが「活動」へのさらなる闘志となってサービス提供業務を続けてこられました。 この先もそんな気持ちでこの訪問介護サービスを続けていけるのでしょうか。 そろそろ、ヘルパーさん自身がこれまでのサービス提供について、振り返り、見直していただく必要がありませんか。

2012年3月19日掲載

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