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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

介護職員処遇改善交付金の行方

平成24年3月末で終了することになっている『介護職員処遇改善交付金』は、その後どうなるのだろうか? 一時は、平成24年4月以降も継続するのではないかと思われましたが、 24年度の概算要求にも入っていなかったので、明らかに厚生労働省は継続する考えがないということになります。

今年6月に介護保険改正法が国会を通過する以前から、社会保障審議会介護給付費分科会では、 来年度の介護報酬改定に向けて議論を重ねてきました。 いわゆる介護のお値段やお値段を決めるルールを見直し、効率的かつ効果的な介護給付になるよう、3年に一度の見直しを行っています。 介護保険法の改正(5年に1度)と医療の診療報酬見直し(2年に1度)が重なったこともあり、 分科会の議論は、時として重箱の隅を削り取るような様相でした。 とくに「介護職員処遇改善交付金」については、利用者利益団体や保険者の継続を望む意見が大半であり、 一方有識者や事業者利益団体を代表する委員の多くは、介護報酬に上乗せして移行するべきだという要求がありました。 この論争の構図は、あまりにも当たり前過ぎますが、厚生労働省がこんなシナリオでお芝居をしてどうするつもりなのかと考えてしまいます。 私個人の推測に過ぎませんが、社会保障費が増大していくなかで、少しでも抑制できるものは抑制したいと考えれば、 介護報酬を上げることによって、利用機会を抑えたいという意図が働くのではないでしょうか。

12月7日には、社会保障審議会介護給付費分科会が「平成24年度介護報酬改定に関する審議報告」をまとめ、最終報告としました。 その中では、当然、『介護職員処遇改善交付金』の取扱いにも触れていて、 報告書の冒頭に「介護職員の安定的な確保に向けて処遇改善を行う必要性は減じていないことにも留意して、適正なものとすることが必要である」と記しています。 すっきりしない言い回しで何をどうするのかよくわからない文章です。 12月5日の分科会を傍聴している時に、ある委員から事務方(厚生労働省老健局)に確認する場面があり、 「交付金分相当を介護報酬に反映するということなのか」と正しました。 その答えは、その方向で検討するという旨の説明でしたが、報酬本体への組み込みではなく、加算による報酬としたい旨も明かしました。

また、ある別の委員から、 「一人15,000円が確実に介護職員の手に渡っていることを確認すべきではないか。交付金を止めれば、どのように確認するのか」という主旨の質問もありました。 これに対しては、また別の委員から、「そもそも、公が民間事業者の経営裁量で行っている職員の給与の支給状況までチェックするのはおかしい」 という内容の反論があり、この発言が支配的な雰囲気になりました。

これまでの経緯から判断しても、 『介護職員処遇改善交付金』は平成24年3月末で終わり、 来年4月からは介護報酬の加算部分に潜り込ませることになるだろうと考えられます。 その場合には、加算の条件が設定されることも予測できますが、 現状の交付金も申請していない事業者が三割強もあると聞いていますので、 今後は益々、事業者の収益格差に繋がるのではないかと思われます。 介護事業経営には、今後さらに堅実な経営判断と経営スキルが求められることは間違いないと言えます。

2011年12月18日掲載

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