女性A「Xさんがヘルパーさんのお尻を触って困るんだけと、何度注意してもダメなのね。」
女性B「そんなのよくあることよ。山田町のWさんなんか、『若いヘルパーに来てほしい』って言われて困ったことがあったわ。」
女性C「男はいくつになっても好きなのね。私も以前、独居のZさんの家に毎月定期訪問に行くと、玄関を入ると必ず、 カギを閉めるので、ちょっと怖かったわ。」
女性A「それでZさんに何かされたの?」
女性C「今のところ、何もないけれど、毎回訪問するたびにカギを締めるから気になるわ」
女性B「そうよね。行きたくないわよね。Wさんなんか、もう行ってくれるヘルパーさんがいなくて困っちゃうわ。」
三人が話している内容は、聞こうと思えば個々の利用者の名前も住んでいる地域もわかります。 彼女らが所属する居宅介護支援事業所の契約書には、介護支援専門員の守秘義務を明記していないわけではないでしょう。 また、「個人情報保護方針」も事業所内に掲示していないわけではないでしょう。
誰でも仕事によるストレスがあり、どこかでストレスを解消する必要があります。 おしゃべりしてすっきりすることも一つの解消法ですが、話す内容が問題です。 今回のような出来事は決して初めてはありません。私は過去数回同様の場面に遭遇したことがあります。
介護サービスに限らず、顧客相手のサービス業には必須の守るべきルールなのに、大手企業でさえ、 次から次へと個人情報の流出、漏えいが明るみに出て問題になっています。 何が原因なのだろうかと、そのたびに考えさせられます。 考えてみれば雇用形態が多様化している今日の会社組織では、 そこに属する人々の会社に対する帰属意識や忠誠心などが低下している結果ではないかと思えてなりません。 介護業界は相変わらず従業者の定着率が低く、まさに組織への帰属意識が希薄であることは疑う余地がありません。 今勤めている介護事業所を辞めたいと思っている介護職員が、 退職に踏み切れない理由は自分が関わった要介護者との関係を断ち切る決断ができないからであり、 しかし一方で介護事業所という組織からは早く離れたいと思っている場合が圧倒的に多数を占めています。 また、そういう人たちが、担当する要介護者についての話をする機会が多いのは、 利用者を思いやる気持ちが強いからだと思い込んでいることもあります。 場所をわきまえずに利用者の話に花が咲くのは、 自分がどれだけ一生懸命に利用者につくしいるかを自慢し合う場を求めているかのようにも受け止められます。
2011年10月2日掲載
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