この改正法は来年4月に施行され、同時に介護報酬も改定されます。 また、診療報酬も改定ですので、トリプル改正、改定になります。 医療、介護の公定価格が変わり、新しい介護サービスの種類も増えるので、前回の法改正時と同様に介護事業者はかなり混乱するのではないでしょうか。 前回の改正法施行以後は混乱しながらも何とか落ち着いて平常に戻ったような印象があります。 しかし、今回はどうなるのでしょう。
混乱するだけなら未だしも、事業そのものの継続性が危ぶまれる状況も想定されます。 その理由は簡単です。 1つは、介護報酬(介護の公定価格)が上がる可能性は極めて低いこと、 2つ目に、新たに創設されるサービスは参入規制が多く、大手介護会社には有利になること、有利になっても決して楽ではない、 3つ目に介護と医療の連携が確実に行える事業者でなければならないこと、の3点です。 3月11日に未曾有の大震災があったために、財政的見地からも復旧、復興にかける予算を考えると 介護報酬だけを引き上げる可能性はほとんどないと考えられます。
という6項目ですが、詳しくは『介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律』をインターネットで検索して熟読してください。 既存の介護事業関係者の皆様、医療法人の皆様には特に目を通していただきたいと思います。
6項目すべてを一つひとつ取り上げることはできませんが、4番目の「認知症対策の推進」について簡単にお話します。 何らかの介護事業の経営者、またはこれから介護事業に参入しようと計画している起業家の方々で、この認知症についてどの程度ご存じでしょうか。 「アルツハイマーと言う言葉は知っています」とか、「認知症って、何にも分からなくなってしまう病気」と思っている方はいないでしょうか。
その程度ならば、介護事業への参入を考える前に「認知症」についてしっかり理解することをお勧めいたします。すでに介護事業を運営しているならば、早急に学んでおく必要があります。
最後に、改正法施行とともに介護報酬の改定も重要です。 6月16日に『第76回介護給付費分科会』を傍聴しましたが、とても介護報酬が上がるような雰囲気ではないことだけは確かです。 この先、介護給付費分科会は12月頃まで月に2回程度開催され、最終的に来年1月頃には報酬単価が決まる予定です。
その介護報酬の金額によっては、来年度以降の介護事業の運営が厳しくなる恐れもあり、 介護事業をしっかり経営してきたかどうか、経営者としての真価が問われる時期が来るのではないかと思います。 「利用者に喜んでいただける介護サービスを提供していれば、利用者は自然に増える」と思い込んでいて、 実際には利用者が増えていない介護事業所は少なくありません。 6年ごとの指定更新制が事業経営者にとって、事業を廃止するきっかけになっているとの話も聞いています。 神奈川県のように年間300の介護事業者が指定を受けて開業しながら、そのうちの20%の事業者が翌年には廃業する現況を鑑みると、 介護事業者はすでに自然淘汰される段階を迎えているのでしょう。
2011年7月8日掲載
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