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有限会社業務改善創研のコラム(介護コンサルタント福岡浩)

介護コンサルタント福岡浩のコラム

「苦情」と「クレーム」そして「処理」と「対応」

一般的に「苦情」と「クレーム」という言葉を同じ意味合いで使っていることがあります。 また、介護事業においては、「苦情」対応、「苦情」処理とは言いますが、「クレーム」という言葉はあまり使われていないのではないでしょうか。 しかも、「苦情」と「クレーム」という言葉を何気なく使っている私たちは、明確にその両者の違いを理解しているのでしょうか。 改めて「苦情」と「クレーム」の違いやその対応などを考えてみましょう。

「苦情」とは、サービスや製品を購入した顧客がこれに何らかの不満を感じたり不公平に思った場合に、 その改善や改良を要求する行為だとされています。 一方、「クレーム」とは、顧客がサービスや製品を購入したことによりケガや被害を受けたことに対し、代償や保証を要求する行為です。 結果として金品を要求したり、いちゃもん、難くせをつけて相手が困るのを愉しむものに変わることもあります。 俗に言う「クレーマー」です。

「苦情」は明らかに顧客が事前に抱いていた期待値とは違って、サービスや製品に対する不満であったり、公平を欠く事実があって、 その是正を求める意向を表明することです。 どんなに些細なことでも苦情になり得ますが、サービスや製品を提供する事業者側には気づかなかったような不満や不公平も表面化します。 これに対応して改善、改良などが進めば、品質が向上し、事業者への評価も高まるでしょう。

「クレーム」は、不良品や不適切なサービスが提供されて顧客に実質的な損害が生じたことにより、 その代償を求められたり、保証を迫られることです。 初めから「クレーム」をつけることが目的であれば、明らかに「クレーマー」です。 最近はこのクレーマー対策に時間とおカネをかけている会社も増えています。

ところで、「苦情」も「クレーム」も受ける事業者の姿勢が窺えるのが、 苦情処理、クレーム処理か、または苦情対応、クレーム対応という言葉の使い方の違いです。 「処理」という言葉には、苦情やクレームをマニュアルに沿って機械的に対処するというイメージがあります。 処理の対象がモノのような感覚でなる恐れがありそうです。 一方、「対応」となると相手がお客様であるという前提を意識している印象が感じられます。 人が人に対して応じているから「対応」となるのでしょう。

例えば、「苦情には真摯に対応します」と聞いた印象はどうでしょうか。 これに対して「クレームは速やかに処理することが大切です」という言い方はどのような印象を受けるでしょうか。

介護事業の現場では、実際には「苦情」もあれば「クレーム」もあります。 訪問介護事業所のヘルパーさんの言葉遣いが良くないという苦情、デイサービスの送迎車の運転手の運転が下手で怖いという苦情、 利用者がケアマネジャーに電話してもいつもいないという苦情。 さらにクレームとなると、少々深刻さが増しますが、 デイサービスでトイレ介助中に介護職員の介護技術が未熟だったために利用者を転倒させてしまい骨折しクレームに。 認知症の要介護者宅でヘルパーさんのサービス中におカネがなくなったと言われてクレームに。 介護現場では様々な苦情やクレームが常に発生しています。 苦情やクレームを全く無くすことは不可能ですが、減らすための努力は常に必要です。 また、起きてしまった苦情やクレームには、いかに迅速に対応し利用者側に納得してもらえるような改善、改良や保証、代償が提示できるかが重要です。 その上で、同じ苦情やクレームが起きないように再発防止策も万全にしなければなりません。

2011年2月12日掲載

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