最近では、独自の季刊誌や小冊子を発行したり、ホームページを開設する事業所も増えています。 その目的は宣伝、広告であることは言うまでもありません。 特にホームページを新設する介護事業者が増えているのは、 『介護サービス情報公表制度』の公表の項目にホームページの有無があり、 「ホームページがあった方が良いのではないか」という事業者の思惑が働いているのではないかと推測します。
しかし、どのホームページを拝見しても、失礼ながら「帯に短し襷に長し」と言った印象です。 あった方がいいから、取り合えずホームページを作成したというものから、 色々と自社(事業者)をアピールしようと苦心している様子が窺えるものまで様々です。
その上、別の視点から考えてみると、事業者側の独り善がりのアピールになってしまい、 顧客の視点、利用者の目線で自社(自事業所)を客観的に見られなくなっているのではないでしょうか。 勿論、「利用者の目線で考えています」と反論される方もいるでしょうが、 「利用者の目線で考えるとはどういうことですか?」とお聞きしても、すぐに明確な答えが返ってきません。 自己アピールには、客観的な自己分析が必要です。 顧客として介護サービスを利用していただいている利用者や家族に、 「なぜ、当社を選んだか、当社のどの部分を重視したのか」等々、 アンケートやヒアリングが十分に行われず、調査集計がシステム化されていないのが現状です。
結論的に申し上げれば、自己アピールが苦手なのは、自己評価が不十分だからということでしょう。 勿論、苦手だと自覚していれば、未だしも苦手という意識がない場合がほとんどです。 自己アピールとは、奥床しさを止めて『自己開示力』をたかめることであり、 いかにわかりやすく伝えられているかが重要です。 アピールという言葉を聞くと、すぐに自分たちの長所や利点だけを盛り沢山に強調しようと考えます。 「よく見せよう」と考えるのではなく、「ありのままを伝える」と考えた方が自然で、 むしろ伝わりやすいと思います。
前述の『介護サービス情報公表制度』の公表内容も、すべての項目にチェックがあるからといって、 その介護事業者が優れているとは限りません。 ある事業者のホームページに「利用者第一主義」とか、 「お客様本位のサービス」とかいう文字が躍っている一方で、 そのトップページに「介護職員急募」の大きな文字が目に入ります。 要するに「利用者第一主義」だというなら、 そのためにどんなことをやっているのか説明する必要はないのでしょうか。 「利用者第一主義」を掲げる根拠を明確に示すことが、自己アピールの第一歩ではないでしょうか。
2009年3月11日掲載
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