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2006年12月のコラム:
『要介護認定見直しのための実態調査開始!

去る10月10日に、厚生労働省は第1回「要介護認定調査検討会」を開き、要介護認定の一次判定ソフトを見直すために、高齢者介護実態調査を実施する計画を示しました。

この調査の期間は、今秋から来年2月まで行う予定で、60箇所の介護保険施設で約4,500人を対象に、介護時間や心身の状態調査を行います。 在宅における介護時間等を把握するための調査も行う予定で、認知症高齢者のグループホームも調査対象になる可能性があります。

要介護認定は、認定調査員による心身の状況調査と主治医意見書に基づくコンピュータ判定(一次判定)の後に、介護認定審査会において介護の手間に係る審査を行い、「要支援」「要介護1相当」「要介護2~5」のいずれかに判定します。 (二次判定)「要介護1相当」については、状態の維持、改善可能性にかかる審査が行われ、最終的に「要介護2」と「要介護1」に割り振られる仕組みとなっています。

高齢者介護実態調査は、要介護者の心身の状況に応じてどんなサービスが提供されているのかを数量的に把握、分析するためのもので、認定のロジックを作成する資料となります。

調査内容は、1分間タイムスタディ調査と心身の状態調査の2種類です。 前者は、サービスを提供する職員に調査員が張り付き、サービス内容を1分毎に調査票に記録するというもので、後者は現行の要介護認定調査を基礎として新たに作成した調査票による調査を実施します。

高齢者介護実態調査は、過去2回行われていますが、今回はサービスの質の変化などを認定ロジックに反映されるとともに、一次判定の段階で「要支援2」と「要支援1」が判定できるようにするための基礎データを収集することが目的です。 介護認定調査会の負担軽減とともに、4月以降問題になっている認定結果のバラツキを是正する狙いもあります。

この日(10月10日)示された調査案には、知的機能や精神状態など多様な障害に対応した項目が盛り込まれていますが、高齢者介護実態調査とは別に障害者への実態調査も併せて行う計画があります。

これらの調査結果をもとに、見直しが行われるのは、早くて3年後だそうです。 したがって、認定結果のバラツキはしばらく続くことになります。 しかし、少なくとも今できることとしては、調査員が今まで以上に調査の精度を高める意識をもって調査を行うしかないのでしょうか。

見直しが行われる3年後までに、介護事業者ができることは何だろうかと考えますと、居宅サービス事業者がサービス提供による効果の把握を確実に行い、居宅サービス計画の評価、見直しに寄与する活動が必要です。 具体的には、利用者の心身の把握とともに、介護目標の達成度合いを的確に評価すること、サービス内容が適正か否かを検討すること等々、今年4月の介護保険法改正後に求められるようになった介護支援専門員との連携を具体的に行うことが、益々重要になってきました。

介護事業経営者としては、高齢者介護実態調査の結果が公表された時に、その内容を十分に分析し自社の戦略を見直すことも必要になるでしょう。 また、制度の見直しも2年後に控えていますので、介護保険制度そのものが施行当初から、「走りながら考える制度」であることを忘れずに事業運営を続けなければなりません。

2006年12月10日掲載

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