神奈川県の「介護サービス情報の公表制度」に係る調査が7月から始まり2ヶ月が経ちます。 私は調査員として、調査したのは、訪問介護、居宅介護支援、福祉用具貸与、有料老人ホーム、通所介護、5事業です。 まだ、特別養護老人ホームや訪問看護、訪問入浴介護の調査は経験していませんが、様々な事業所へ伺って調査を通じ学ぶことが多く有意義な仕事だと感じています。
8月2日、厚生労働省老健局は全国介護保険指導監査担当課長会議で、「介護サービス事業者に対する指導・監査指針の見直し案を議論したそうです。これは、介護保険法改正に対応するためで、都道府県が従来から行なっている指導・監査を大幅に見直して、来年度から新たな指導・監査の指針に基づいて適用していく方針です。
制度改正に伴って、指定・監督事務等の変更点は、
①市町村が地域密着型サービスの指定・監督事務を行なう
②指定の欠格事由や取消要件を追加する
③指定更新制を導入する
④勧告・改善命令を追加する
また、重要な変更点として、「指導」と「監査」が法律上、明確に区分されたことです。
従来でしたら、「実地指導」を行ない、その過程で不当、不正の疑いがあれば、担当指導班の判断で、すぐに「監査」に切り替えることもありました。「指導」と「監査」の明確な違いがわかり難いと言う側面があったことは事実です。 これを「指導」「監査」のそれぞれの機能を明確に分けて位置付けるようになります。
制度理解の促進や請求の過誤・不正請求の防止のために実施する「集団指導」、従来の「実地指導」は、高齢者虐待防止や身体的拘束等廃止、じょくそう予防、感染症対策等、「よりよいケアの実現」を重視した「運営指導」に変わります。
一方の「監査」では、指定基準違反が疑われるような場合を想定して、そこに焦点を絞るようです。「監査」で指定基準違反が明らかになれば、「改善命令」が出され、それにも従わなければ、「指定の取消」や「指定の効力の停止」という行政処分が下されます。 悪質な事業者には、改善勧告や改善命令を経ずに「指定取消」処分もできるようになりました。
「監査」に導く手がかりには、利用者やその家族からの通報や事業者内部からの告発、国保連や地域包括支援センターが受け付けた苦情、保険者の介護保険給付費の分析結果などがあります。 さらに厚生労働省は、「介護サービス情報の公表制度による報告内容も重要なヒントになる」として、同制度を活用することを推奨しています。
新しい「指導・監査指針案」は、言わばマニュアルに依存した確認作業という正確が強かった「実地指導」を、事業者の育成、支援という目的にシフトし、「監査」は悪質な事業者の排除に特化した役割になると言えます。
従来の「指導・監査」は、保険医療機関を対象とした手法を下敷きとしており、今回の見直しは、急速に参入が進んでいる民間事業者への対応を強化する目的がはっきりと読み取れます。
「監査ではない」と言いながらも、監査のための便利な道具になるだろうと思われる「介護サービス情報の公表制度」に対して、事業者の対応の仕方が事業経営のキーポイントになりそうです。 自事業所の介護サービスの質向上や経営に関する情報をどこまで、外部に開示し、透明性を確保することができるか、マニュアルや帳票類、記録書が整ったとしても、それらに基づいた事業の仕組みが形づくられているか、経営者は、走りながら考えることを求められています。
サッカーの日本代表監督に就任したオシムいわく「優秀なサッカー選手は、足が痛いとは言わない、頭が疲れたと言う」
2006年8月25日掲載
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