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2006年8月のコラム:
「介護サービス情報の公表制度」の調査に係って

神奈川県の「介護サービス情報の公表制度」に係る調査が7月から始まりました。

私は調査員として、四事業の調査を行ないましたが、その詳細について話しをすることは、「守秘義務」に反するので、特定の事業者名や個人名、その事業所の運営状況に関する内容については申し上げられません。

また、私が調査に関わっている時は、「準公務員」という立場になるそうです。 したがって、ここで申し上げられることは、関わった調査の全体的な印象や気が付いたことなどに限定して述べたいと考えます。

さて、この調査の前提となるのは、介護事業者自らの介護サービスの情報を開示する、公表するということなります。 自ら積極的に公表することが求められているわけですが、制度として事業者に義務付けられています。 その公表しようとする介護サービスの情報が間違いないものかどうかを確認する作業が調査員の役割です。 したがって、都道府県の指導・監査係の方々とは違い、事業者の情報開示のお手伝いをする立場とも言えます。

実際の調査に際して、注意すべき点をいくつか申し上げておきましょう。

第一に、「確認のための材料」となる資料類を事前に準備しておくと、調査が効率よく進められます。 各調査項目に該当する「確認のための材料」となる資料に付箋などでわかるようにしておくと良いと思います。

第二に、元々ない書類や帳票類等を後から作成することは、私文書偽造や虚偽の報告となる恐れがありますので、始めからないものはないとすることが肝要です。

第三に、「確認のための材料」となる資料類は、基本情報項目を報告した日より1年前までのものとなりますので、1年以上前の資料類を提示しないように気をつけましょう。

また、調査で提示する資料類に確認しにくい箇所があれば、同様の資料で別のものを拝見することがありますので、提示する資料類のサンプルは1点以上準備された方が良いでしょう。

最後に私の個人的な意見ですが、この調査は必ず毎年行われることになっていますので、調査そのものに対して、表面的な対応にならないよう心がけていただきたいと思います。

「できていないこと」や「書類や帳票類の不備」などは、時間をかけてでも改善していくことを目指した方が事業所にとって有意義だと言えます。 例えば、「記録」が十分に書かれていないのなら、記録の書き方から学んで、誰が読んでも理解できる記録が書けることを目標としましょう。 また、マニュアルがあっても研修を実施していないのなら、研修計画を立てることから始めましょう。

話は変わりますが、この「介護サービス情報の公表制度」で公表された事業者の情報は、都道府県の監査、指導の担当者にとっても重要な参考情報になるということは、想像に難くありません。 「実地指導」が事実上、実行不可な状況になっている現状では大いにあり得ることだと言えます。

最後に、7月に四事業の調査を行って感じたことは、対応された事業所の担当者や責任者が、「今日の調査では大変学ぶことが多く、事業運営に活かしていきたい」と言われたことです。 偶然かも知れませんが、四事業の担当者、責任者が同じように学びがあったと言われましたが、私が何か教えたわけではなく、要するに彼らは自らの気づきを得たのだと感じました。 そもそも、調査員は、指導やコンサルはもとより、事業者を評価するような発言をしてはならないことになっています。 ですから、事業者の方々は、「どうすればいいですか?」とか、「よその事業者はどんなやり方ですか?」、「もっと良い方法を教えてください」などと、調査員に言っても無駄ですので、気をつけましょう。

2006年7月25日掲載

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