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2006年5月のコラム:
『介護サービス情報の公表制度』の調査が始まります。

前回も少し述べましたが、『介護サービス情報の公表制度』における事業者への調査は、神奈川県では7月から来年2月までの期間で実施することが決まりました。

『介護サービス情報の公表制度』では、各都道府県に情報公表センターを設置し、ホームページ上で全事業者の情報が公表されることになります。

すでに、神奈川県東京都ではホームページがありますので、一度ご覧になると良いと思います。

前回も申し上げましたが、『介護サービス情報の公開制度』が浸透していく過程で、介護事業者のサービス品質格差がはっきりと露呈すると考えられます。 例えば、『介護サービス情報の公表制度』の調査情報項目には、認知症ケアに関するマニュアルの有無や職員研修の実施有無等についての確認項目があります。 今まで、職員対象の研修が十分に実施されていなかったり、全くやっていない事業者はもとより、研修を実施していてもその効果を測定し継続的改善を怠っていては、利用者やその家族、関係するケアマネジャー等々の支持が得られなくなります。

単なる人脈や人間関係だけに頼ったサービス提供先の拡大には限界です。 介護事業者としての姿勢は、常にサービスの品質を向上させるための不断の努力にありますが、より具体的な方法でわかりやすい活動実績が求められます。 継続的改善を可能にする仕組みづくりは、短期間では確立することは出来ません。 時間をかけてでも取り組む必要があり、それを怠った事業者は3年後、5年後には淘汰されるか、事業規模が停滞または後退するでしょう。

『介護サービス情報の公表制度』は、年々調査項目が追加、変更があると考えられます。 また、調査員のスキルが向上すれば、より正確で詳細な調査が可能になり、事業者間のサービス品質格差が益々、明白になるでしょう。 行政は、この制度があくまでも情報公表であり、評価や格付けなどを目的としていないと強調して説明していますが、結果的に比較対照が可能ですから、見方によっては優劣がはっきりします。


介護事業者のIT化に格差

他の産業界に比べて介護業界は、IT化が遅れていると言われています。 介護報酬の請求ソフトは最低限の必需品ですが、国保連への請求は「伝送」が当たり前になっている今でもフッロピーで提出している事業者もあります。

ある知人の特別養護老人ホームでは、2年前に開所した当初は、職員用にパソコンを数台用意していましたが、使われない台数の方が多いそうです。

相変わらず介護記録等が手書きで行われていて、時には書き忘れがあったり、記録書に書く前にメモした紙が紛失したり、利用者や入所者を正確に把握するための基本業務ができないことがあるようです。

訪問介護事業所では、利用者とヘルパーとのコーディネート業務、いわゆるスケジュール調整業務が、サービス提供責任者の業務時間の大半を占めている場合もあり、本来業務である契約前のアセスメントや介護計画書作成、カンファレンス開催、定期訪問、サービス担当者会議への参加と言ったことが十分にできていない事業者も多いようです。

IT化を進めることで、省力化したり、ペーパーレスにできたり、正確でタイムリーな情報を分析できたり、利用者情報の共有化が促進できるはずです。 介護事業経営者や現場の介護職員を含む介護事業者側の苦手意識や都合で、IT化が進められないのであれば、それは本来の「顧客本位」サービスとは言えないのではないでしょうか?

デイサービスでは、送迎車両の運行スケジュールをPCで管理して、送迎モレを防止したり、訪問介護サービスでは、上述のコーディネート業務をPCソフトで行っている事業者もあります。 決して大手介護会社だからできるのではなく、利用者満足度を向上させるための一環として、できること、やるべきことと考えている事業者がどうかの違いが、IT化にも差が生じてきています。

2006年4月30日掲載

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