3月中に書き終えたいと思っていましたが、ついに4月になってしまいました。
さて、今回の改正介護保険法は、すでにご承知のとおり、①『介護予防サービス』の導入、②『地域密着型サービス』の創設、そして、③『介護サービス情報の公表制度』が始まります。 改正介護保険法の特徴は、これらの3つになりますが、それぞれの詳細については今さら説明するまでもないと思いますので、省略します。 とりわけ、直接的にサービスに関わることとして、①、②には関心が高く、③『介護サービス情報の公表制度』については、意外に重要視れていないのが現状かもしれません。
①『介護予防サービス』については、3年後の見直しで、さらにどのように変わるか分かりませんが、②『地域密着型サービス』の創設は、その主たる目的が「認知症高齢者」を対象としたサービスとなっているので、今後の「認知症高齢者」の増加傾向を考えれば、サービス量は増えることが想像できます。
従って、介護保険制度施行後6年間に行ってきたサービス提供方法やサービス内容のままでは、②『地域密着型サービス』や認知症高齢者を対象としたサービスは提供できないことが明白です。 特に訪問介護サービスでは、生活援助や身体介護の技術や知識だけではなく、認知症高齢者への対応方法に関する基本的な知識が要求されます。
また、③『介護サービス情報の公開制度』が浸透していく過程で、事業者格差がはっきりと露呈するだろうと考えられます。 『介護サービス情報の公表制度』の調査情報項目でも、認知症ケアに関するマニュアルの有無や職員研修の実施有無等についての確認項目があります。 今まで、おざなり研修でしかなく、その効果も測定しなかった事業者は、相当な改善が必要になりますが、それを怠った事業者は、3年、5年後には淘汰されるだろうと思います。
『介護サービス情報の公表制度』は、介護サービスを利用する要介護高齢者やその家族が、事業者選択に必要な情報を提供するための制度ですが、実際には、利用者よりも介護支援専門員(ケマネジャー)が活用する機会が増える可能性が高いと言えます。 ケマネジャーは、今後は自らが関わった要介護高齢者のケアプランが、結果的に効果を上げられたかどうかについても見られるようになり、5年更新制になれば、ケアマネジメント力を吟味されることにもなります。 だからこそ、自社サービス誘導型ケアマネジャーでは通用しなくなることは目に見えています。 ケアマネジャーは、地域の社会資源であるサービス事業者の情報を、様々な方法で把握しているでしょうが、この『介護サービス情報の公表制度』も活用することになるでしょう。
『介護サービス情報の公表制度』では、情報公表センターで公表される全事業者の情報が、実施されるサービス内容と異なることが明らかになれば、都道府県の指導・監査の対象となり、最悪の場合には、指定の取り消しになることもあると言われています。 介護サービス事業者は、施設系、在宅系、通称系を問わずに、継続的なサービスの品質向上に努めなければならないことになります。これを怠れば、遅かれ早かれ淘汰されることは間違いないでしょう。
『介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成14年法律第六十三号)』というものです。 この中に「介護雇用管理改善等計画」という計画がありますが、そこに書かれている項目で興味深い「計画の目標」について記述しておきますので、何かの参考になれば幸いです。
「計画の目標」の最初に、1介護労働者の離職率について と言う項目があります。 これを引用しますと、『介護労働者の離職率については、平成15年12 月から平成16年11月の1年間で約21%であり、平成16年における全産業の平均的な離職率である16%に比べて高い状況であることを踏まえ、20%を下回るものとするとともに、全産業の平均的な離職率との乖離をできる限り縮小する。』
さて、介護事業経営者として、この離職率21%をどう受け止めるのでしょうか。 単に介護報酬単価が低いから職員、社員が定着しない」と言って、原因の矛先を国の制度、政策のせいにしていませんか。数少ない例ですが、職員の離職率が極めて低い事例もありますが、それは事業経営者の日々の努力に負うところだと思います。
経営者が「学び」を怠れば、社員や従業員の成長はあり得ません。 私は、常日頃から経営者が学ばないことが、もっとも問題であり、それに気付いている経営者は少ない、気付いていても「学び」が始まらない経営者もまた多くいます。
2006年2月25日掲載
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