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2006年2月のコラム:
『サービス』の品質向上を極めると本質に辿り着く

介護サービスの品質とは、一体何だろうかと改めて考えてみると、サッポロビールのコマーシャルを思い出しました。 「品質は、畑から」というキャッチフレーズをそのまま介護サービスに当てはめてみると、「(介護サービスの)品質は、人の心から」ということになるのでしょうか。 そして、同時に思い起こすのは、建築家アントニオ・ガウディの言葉で、「独創性(オリジナリティ)とは、起源(オリジン)に近づくことである」ということです。

介護サービスの品質を担保するには、まず、サービス品質が均一であることが求められます。 まずは、「誰がやっても同じサービスが提供できること」、そして、その品質を高める仕組みがあることだと思います。 しかし、サービスの均一化が達成されただけでは、顧客(利用者)の、「不満はないけれど、満足しない」状態が想像されます。 均一化されたサービスが確実に提供できたら、その上にサービス提供者の個性が発する独創性によるサービスの付加価値が加わることで、「人と人が触れ合う」という本質に近づくのではないでしょうか。 言い換えれば、サービス提供者の人間性が表出する瞬間なのです。 だから、介護サービスのそのものの品質が悪いのに、サービス提供者の個性や得意技だけに頼って、顧客満足度を高めようとしても無理があります。

介護事業者は介護サービス提供のプロフェッショナルでなければなりません。 プロの音楽家は、楽器を演奏する技術があり、その音楽家にしかできない独創的な表現力を有しているから、聴衆を感動させることがでます。 俳優は、役を演ずる技術があり、他の俳優が演じるよりも個性的だから、観客を感動させることができます。 楽器を奏でることも、役を演じることも、最低限の技術です。 その上に彼らの個性に裏付けされた独創性が表現力となって、他者との際立った差を見出しているのです。 介護サービスも同じように考えれば、最低限のサービス提供は、品質が均一化されていて、サービス提供者の技術のバラツキが小さいか、またはない状態です。

さらに、顧客を確実に満足させるには、均一化されたサービスを、個性ある人材が提供することです。 顧客満足の前提は、感動です。 プロフェッショナルなサービスには感動があり、人の心を動かすには、自分の心を働かさなければ達成できません。 そういう人材を育てるのが、経営者の責任です。

高品質のサービスとは、顧客が感動し満足することです。 感動は、「人と人が触れ合う」ことが前提ですから、心と心が通い合って、信頼関係が成立していなければなりません。
サービス品質の向上は、究極的には人間の本質に近づくことではないでしょうか。

※参考/「ノードストロームウェイ」「真実の瞬間」「サービスが伝説になる時」
「介護における共感と人間理解」ほか


新介護給付費について

介護事業者がずっと気になっていた新介護給付費が決まりました。 初めから、期待していないから、「やっぱり・・・・・」とか、「こんなもんかなぁ?」っていう感じですか。

さて、介護予防も加わり、介護事業経営にどのような影響があるのか気になりますが、新介護給付費を現行の利用者に当てはめてシュミレーションすることによって、大凡の損益予測が見えます。 しかし、介護予防サービスがどの程度浸透するかは未知数であり、予測が難しい状況です。考えられるのは、ケアマネジメントの質に負うところが拡大するだろうということです。 もっと言えば、今まで以上にアセスメント能力が高いケアマネジャーが必要になってきたということでしょう。 また、ケアマネジャーには益々、論理的志向が求められ、豊富な社会資源情報がなければ、まともなケアプランも介護予防プランも作成できなくなります。

介護事業者については、中重度の要介護者に対して個別性を重視した身体介護サービスが提供できないと生き残れない状況になってきます。 要するに、家政婦派遣のような運営方法では、改正介護保険法についていけなくなります。 また、在宅と施設の中間に位置するようなサービスをどのように取り組むかも今後の課題になりそうです。

会社の経営資源を見直して資源の再配分を検討する時期に来ていることは、間違いないと思います。

以前から思い当たるのは、厚生労働省のもくろみが、「次の法改正までに全事業者の2、3割は減らしたい」ということです。 それは、ある程度の規模以上の事業者に任せたいからで、小規模零細の介護事業者に対する信頼度の低さを懸念しているからでしょう。

2006年1月31日掲載

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