先日、久しぶりにユニクロに行くことがあり、売場の店員を観察していて、気付いたことがあります。
それは、店員同士が丁寧語と敬語で会話しているのです。 勿論、業務に関する内容の会話ですが、どちらか一方が上司ないのか定かではありませんが、「○○○のMサイズを補充していただけますか?」「はい、こちらの品だしが終わり次第、やっておきます。」 店舗を構えた接客業で大切なのは、店員同士の私語が無いことだと思うのは、私だけではないでしょう。
今や上司が部下に対して威圧的な口調で指示するのは、もう時代遅れかもしれません。 上下関係の規律を重視するより、従業員同士が互いに尊重し合う風土がなければ、お客はそれを敏感に感じとります。 このような風土は、サービス業、とりわけ店舗販売の常識となっているようです。
一方、スターバックスコーヒーは、半年位前に、経常利益が落ち込んだと伝えられていましたが、短期間の出店攻勢や同業他社とのシェア争いが、企業体力を疲弊させたようにも見えます。 しかし、店舗の雰囲気に暗さは余り感じません。 それは、徹底した従業員教育と従業員持ち株制が浸透しているからかも知れません。 スターバックスコーヒーは、発展途上国のコーヒー豆を計画的に買い付け、安く買い叩くことをせず、むしろ相当な価格で購入しているそうだ。
十数年前に、ナイキが発展途上国で未成年者を就労させる工場で生産していたことが問題になり不買運動に発展したことがありました。 この問題は、様々な企業に教訓として残っているようです。 だから、スターバックスは早くから発展途上国を支援する方針を打ち出し、顧客の支持を得るようなビジネスモデルを作り上げるよう努めていることがよくわかります。 簡単に儲けようと思えば、ナイキが失敗した方法で安く原材料を仕入れ、安い労働力を使って大量に生産した製品を顧客が納得する価格を見極めて販売すれば良いわけですが、時間がかかっても潜在顧客の良心に訴えた販売戦略をとっているのかも知れません。
ユニクロもスターバックスコーヒーも共通する考え方は、顧客を意識し顧客を尊重した販売戦略を展開していることだと言えます。 ここで一つ考えておかなければならないことは、多くの企業が「顧客重視」とか「顧客第一主義」とかいう理念やスローガンを掲げていても、実際に現場では、それが徹底されていないことがよくあります。 それは何故だろうかと考えると、日常業務の中に顧客が納得する、分かり易いアクションが不足しているからではないでしょうか。
ユニクロの店員は、そこにお客がいなくても、店員同士が丁寧語と敬語で会話し、従業員同士が尊重し合う風土を形成しているだろうし、スターバックスコーヒーでは、顧客が美味しくコーヒーを飲んでくれることが、途上国を支援することになるという企業理念が社内に浸透し、従業員を生き生きさせているのだろうと思います。
サービス業の手本となるものを見つけて、ヒントを探せば、案外身近にあるのかも知れません。
前回に掲載した「経営者の振り返り」の30項目を整理し集約すると、以下の3つの分野に大別されます。 今から50年前にR.L.カッツは、すでに「トップマネジメントに必要な3つのスキル」を提唱していました。
中小介護事業経営者の多くは、上記の「2.対人的スキル」の一部分に長けているものの、「1.概念的スキル」や「3.実務的スキル」が未発達な場合があります。
例えば、具体的な実務課題を実際に解決するスキルは、感情に左右されたりして冷静な決断ができなかったり、情報収集が不足して、情報分析ができないために、行き当たりばったりの判断になり易い傾向があります。
また、指導統率力が、「人間的な影響力を伴わないこともしばしば見受けられます。
そもそも、経営者はその組織の大小に限らず、人を惹きつける魅力=オーラを放っていることが多いとすれば、経営者が自らを磨くこと、すなわち、常に学習し、自己変革を目指さなければ、良質なサービスを提供できる組織は創れないのではないだろうか?
2005年12月24日掲載
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